春ですね。

大内眼科は、京都市南区の九条新千本にあります。

東へ10分ほど歩くと、世界遺産に認定されている“東寺”さんがあり、九条通りの歩道からも五重塔が見えてきます。

夜間はライトアップされていて金色の五重塔が九条通りの塀越しに見えるのですが、

春の桜の季節ということで先日16日から夜間拝観が始まったようです。桜が咲きだしたら楽しみです。

さて、先週も週末に研修会に行かせて頂きましたが、今週末も≪神経眼科・弱視斜視≫のセミナーに参加させて頂きました。

神経眼科とは、物の見え方、眼球の動き方、瞼の動き、黒目の動き、さらに調節といってピント合わせの機能や目を寄せる機能などを“脳”がどうやってコントロールしているのか、もしトラブルが起こるとしたらどんなトラブルが起きてその原因は何か、検査方法や治療方法を勉強するものです。

これらの領域に関わる疾患には、眼球そのものにトラブルがなく、頭蓋内、つまり“脳”に何らかのトラブルが起きている場合も見受けられます。

「掌に置いた百円玉を片眼で見ると1つなのに、両眼で見ると2つ見える」などの症状を、私たちは複視と呼んでいます。

因みに片眼で見ると2重3重に見えて、両眼で見るとましになる場合は、乱視の影響が考えられます。

もちろん百円玉には限りません、「センターラインが交差して2本見える」や「TV画面の女優さんが2人、同じ字幕が2行見える」などで気づく方もいらっしゃいます。

「右を向くとダブって見えて、正面と左は1つにみえる」なんてこともあります。

これらの症状の多くは神経眼科的な疾患が隠れている可能性があり、検査担当はそこをしっかり見つけ出す必要があります。

眼科での検査は、通常の視力検査などに加え、

眼球運動検査や眼位検査、視神経といって眼球と脳をつないでいる神経の検査も行います。

場合によっては、“脳”の状態を確認するためにMRIやCTといった検査を近医にお願いすることもあります。

ごく一部ではありますが、急を要する場合もあります。

『物が2重に見える』という状態は、必ずしも乱視が原因とは限りませんから、放置せずに眼科受診してみてください。

 

ORT385