花粉の存在をすっかり忘れそうな3月半ばですが、花粉もしっかり飛んでいるようです。
目のかゆみには、激しく目をこするのではなく、眼科受診を忘れずにお願い致します。
さて、最近巷で話題なものと言えば・・・
『各地のロービジョンネットワーク』でしょうか?
京都にも『京都ロービジョンネットワーク』というものがあります。
ホームページによれば、
「京都府内の医療、教育、福祉及び視覚障害当事者団体が連携し、見えにくい・見えない方へ、支援に関する情報を提供することで、その方の生活の困難さを取り除き、その方が望む生活を実現することを目的とした会」
とのことです。
少し繊細な話題なので、うまく表現できるかわかりません。お目汚しの程、深謝致します。
見えにくくなるという事による精神的ダメージや不安感は、計り知れないものがあります。
もちろん、治療は全力を尽くします。我々の目の前にある「病気」に全力で挑むのは医療従事者の当たり前の責務だと考えます。
しかし、患者さんの立場に立ってみることも忘れません。
今、その人の直面しているのは、目の病気というより、
“生活の中の不自由さ”というものかもしれません。
眼科で働く医療従事者として、その『不自由さ』も可能な範囲で減らしていきたいと考えるものです。
が、しかし、そのためには、眼科医学の知識だけでは立ち向かえない事が多くあります。
見えにくい中での生活には、経済的・社会的・教育的・・・いろいろな分野からの配慮が必要だからです。
そこで、京都にある福祉や教育、それぞれの分野のエキスパート(関連団体・施設)たちが集まって、
それぞれの得意分野の情報を、見えにくい当事者に、分かりやすく提供する・・・というのが、
『京都ロービジョンネットワーク』です。
大阪や兵庫・滋賀県などにもこういった、見えにくい方の“生活”を総合的に支援するためのネットワークが作られているようです。
この動きは、日本国内にどんどん広まってきています。
見えにくいことから生まれる、【生活の不自由さ】。
どこに相談したらいいのか判らない。眼医者で聞いても無駄だろう・・・。
確かに、眼科では分からないことも多々あります。
しかし、もしかすると、その分野を専門とする団体・施設と出会うための最初の一歩は、
ご紹介できるかもしれません。
例えば、外出時に一人で出歩くのが不安な時は、
ガイドヘルパーに援助をお願いすることができるかもしれません。
例えば、今使っている虫眼鏡でも文章を読むのが難しくなってきたときには、
もう少し、高倍率の(一言でいえば上等な?)虫眼鏡をご紹介できるかもしれません。
虫眼鏡と言っても、電気がつくもの、そして電気の色にも種類があります。
サイズの大きいもの小さいもの、据え置き型に手持ち式などいろいろあります。
iPadやiPhoneだって、実は虫眼鏡代わりに使うことができるのです。
本が読みにくくなっても、音声で読み上げてくれる道具もあります。
眩しくてカスミが強い場合は、不要な光のみを遮断してくれる遮光眼鏡が良いかもしれません。
食事の時に食器の色を工夫するだけで、味気ないものだったお食事が楽しい食事に変わることもあります。
自分の生活に取り込んで便利になるかどうかは、実際に触れて体験してみることが大切だと思います。
実際に体験する場所をご紹介できるのが、京都ロービジョンネットワークの力だと思います。
パンフレットもありますので、ご希望の方はスタッフまでお声がけいただければと思います。
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