今年に入って何度目かの雪の日です。
夕方の診療の際は、かなり気温が低くなるかもしれませんので、暖かい格好で来院して頂きたいと思います。
近隣の小学校で3学期にはいってから色覚検査が行われたようです。
当院で主として使用している色覚検査の検査機器は、3つあります。
スクリーニング(色覚異常があるかどうかの判定)として
≪SPP 標準色覚検査表 第1部先天異常用≫
≪石原色覚検査表Ⅱ 国際版38表≫
上記の2点を使用します。
これらの検査は、モザイクのような色の点々の集合体に浮かび上がっている数字を読み取ります。
色覚異常があると数字が読み取り難かったり、逆に、正常者では読み取れにくい数字があったりします。
この検査は色覚異常が有るか無いかを探し出すものです。
成人の方の各種資格試験・就職試験向けの色覚検査にも対応しております。
ここで色覚異常の可能性があると判断された場合は、詳細な検査を受けることをお勧めします。
くどいようですが、正常色覚であっても「異常の疑いあり」と判定される場合もあります。
その場合は、他の検査も併せて実施します。
色覚異常の程度・分類判定として
≪パネルD-15≫ を使用します。
これは、色覚異常の程度が、軽度なのか中等度以上なのかの判定をするものです。
色覚異常には、タイプと強さがあります。それらを判別するための検査機器です。
似ていると感じる色付ブロックを隣り合わせに並べていく検査です。
さらに、その方の色覚を正確に判定する場合は、
アノマロスコープという検査機器で先天色覚異常の型分類を確定診断する必要がありますが、
当院では持ち合わせておりませんので、ご希望の際は、適正な施設にご紹介させて頂きます。
色覚検査で眼科受診を勧められた場合、焦る必要なありませんが、
一度、どこかのタイミングで受診して頂ければと思います。
焦る必要が無い理由の一つは、年齢が幼い場合がある事です。
以前、色覚検査が学校での必須の検診項目だった頃、小学校4年生と中学生で実施されるものでした。
つまりは、年齢が幼い場合、色覚検査以前に読み間違えや検査内容の理解困難などが生まれる可能性があると言う事です。
ズバリ言えば、あまり幼いと検査が難しくてよく判らないうちに終わっちゃう
・・・なんてことも無きにしも非ずと言う事です。
出来たら、小学校4年生までには一度、色覚検査を受けて頂けると良いと思います。
因みに、毎年受ける必要なありません。
もう一つの理由は、検査器具の性質的な問題です。
学校で行う色覚検査は、かなりの簡易版色覚検査表を使っている可能性があります。
(新品を購入し使っていたとしても、必ずいつかは劣化します)
学校検診で引っかかったからといって、必ずしも色覚異常があるとは限らないのです。
正常色覚であっても「色覚異常疑い」で学校からお手紙をもらってくることは多々あります。
だからといって、「じゃぁ、何かの間違いって事?放置決定!?」はありません。
簡易版の検査機器でも甘く見るものではありません。
色使いが個性的過ぎて気になる・学校の検診で引っかかった・・・なら
小学校4年生ぐらいを目安に、一度眼科で検査を受けたらいかがでしょうか。
最近は、ネットで色覚検査ができるアプリだったりサイトがありますが、
ディスプレイや印刷の状況によって、必ずしも信頼できるものとは限りません。
眼科受診の上、ご相談頂くことが一番安心だと思います。
眼科に来たからといって、色覚異常を治療するということはありません。遺伝子上の特性ですので、治療はできません。
ご自身の色に対する感性の特性を知ることで、より楽で支障の少ない生活を過ごすことができるようになると思います。
色覚異常ってなんやねん・・・?という正しい知識を身に着けて頂くことが大切だと思います。
色覚異常は、色に対するご先祖様由来の先天的な個性です。
進行する病気ではありません。
色の把握の仕方がめっちゃ個性的やん?!とが疑われる場合や、
ご先祖さまから受け継ぐ色に対する個性が有るのか無いのかを知りたい場合、
まずは眼科できちんと検査を受けて、自分の状態を把握して頂くことが大切です。
そもそも、DNA上にある先天的な色覚の個性は、日本人男性の約20人に1人が該当すると言われています。
20人に1人ということは、クラスに1名~2名はいる計算になります。
これは、珍しいという数値ではありません。
「色覚異常の有無を調べたい」「色覚について不安がある」などといった場合は、お気軽にご相談ください。
尚、色覚異常を治すサングラス等の取り扱いは行っておりません。ご了承ください。
ORT385
最近、黒い服ばかり着ているのは、色に関する感性が鈍っているせいかもしれない・・・。
正常色覚を持っていたって、それを上手に使うセンスが無ければ・・・。
感性は磨かないと切っ先がさびるらしいですよ(´;ω;`)。